見えている親知らずの抜歯


28才のOLです。

 

親知らずが4本生えていて、時々痛くなる歯があります。

 

歯茎が腫れている歯と、虫歯になっている歯とあるようです。

 

また何でもない歯もあるのですが、全部抜くべきでしょうか?

 

抜くのは簡単なのでしょうか?

近江彬子

結論:

 

親知らずの抜歯は状況により異なります。抜くのは簡単です。

 

説明:

 

親知らずの抜歯は常に、口腔内全体を見渡してから決定となります。

 

たとえば、すでにホープレスな奥歯があり、抜かなければならないとしたら、そのスペースはインプラントをしなくても歯列矯正で親知らずを移動させることで埋めることが可能だからです。

 

参考:インプラント不要の矯正

 

また、そうでなくても噛み合わせに重要な役割をしている場合は抜けません。

 

以上のことには無関係の場合に限り、親知らずが虫歯になったり、生えてきて歯茎が痛くなった場合には抜歯は適切な治療になります。

 

Evidence Based Medicine(EBM)に基づいたアメリカ歯科標準治療では、明らかに親知らずが口腔内で役割を果たさないと判断できた段階で抜歯することになっています。

 

それにより多くのアメリカ人は、親元を離れ大学に入学する直前の段階で抜歯する人が増えています。

 

見えている親知らずの抜歯は、簡単な治療になることが多く、麻酔がかかっているため、抜いたことすら気づかないことがあります。

 

親知らずの根の形によっても治療の難易度は変わり、当然所要時間も変わります。

 

簡単な根の場合は数分で終わります↓。

それとは違い、複雑になった根の場合は、根尖が折れないように抜かなければならないので、時間はかかりますが、かかっても30分程度です↓。

手術が必要な、歯槽骨に埋伏した親知らずの抜歯に比べると、とても簡単に終わることがわかります。

 

参考:埋伏親知らずの抜歯

 

ただし、腫れて熱を持ち、痛くなった場合には、麻酔が効かない場合があるので、親知らずの抜歯は予防的な意味を込めて、早めに行うのが良いでしょう。

 

抜歯後は、市販されている痛み止めを飲み、血餅(けっぺい)と呼ばれる血のかたまりで、抜歯窩が保護された翌日あたりから塩水によるうがいを優しくしていると1ヶ月ほどで抜歯した箇所の歯茎はふさがります。

 

ただし、治療直後から頻繁な激しいうがいをしてしまい血餅を洗い流してしまった場合は、歯槽骨がむき出しになり、ドライソケットと呼ばれる症状になります。

 

これは激痛を伴い、肉体的に疲労するので簡単な治療ではあるものの、一応抜歯ですから、治療後は患部をいたわり、休息も十分取り、指示された管理は必ず行わなければなりません。

 

09/30/02

04/05/18 updated

Norman Yamazaki, DDS.

 

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