中学時代から歯の色についてなやんでいます。
抗生物質による色素の沈着だそうで大きく削ってメタボンにするか、少し削ってベニアにするか、選択肢は2つしかないと週刊誌に審美歯科の専門医として出ていた歯医者さんにいわれました。
削らずに治す方法はないのでしょうか?
虫歯でもない歯を削るというのにはどうしても抵抗があります。
小林玲子
結論:
アメリカ歯科標準治療ではテトラサイクリンの着色はホワイトニングで白くすることができるため、削って治す治療はしません↓。
説明:
1990年12月,北米ミッドウェスト特有の乾燥しきった風が音を立ててコットンツリーの梢を吹き抜ける冬の寒い朝、16歳の亜麻色の髪の乙女が私の前に現れて、「自分の醜いこの歯を何とかしてください」と言いました。
私がインディアナ大学歯学部の学生だった頃の話です。
Dual Bleaching 開始前の様子↑
Dual Bleaching 200時間後 上顎のみ↑
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(注意)この写真は被写体を完全固定し、光源および諸条件を同一にしたうえで高速度撮影カメラによりインディアナ大学OAセンターで専門家により撮影されたものです。
開業医レベルの方々がお使いの手持ちカメラによる撮影では、このようなレベルの撮影は不可能であることを述べておきます。
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そこにprosthodonticsのDakima名誉教授とOperaveのLund教授がいて、Dakima教授は陶材焼付鋳造冠を、Lund教授はホワイトニングを勧めました。
その時、私は、ただの1つの修復物もないデンタルアーチをもつ乙女のために躊躇することなく漂白を選び、その結果、テトラサイクリンType I Modification4の歯は、本人が感激して,自分の将来の仕事に歯科医師を希望するほどにまで白くなりました。
私はDDS(Doctor of Dental Surgery)課程4年間のカリキュラムを3年で終えた後、インディアナ大学歯学部で唯一漂白を含む審美歯科学の勉強ができるOperative Dendstry大学院に飛び級をして進み、24時間いつでも使える技工机と診療椅子をもらいました。
この頃の心境はほとんど霞んでしまって今は正確に思い出すことは困難になっていますが、選択した埋由の一つに、潜在意識のどこかにあの娘、Lisaの笑顔があって、それが決定に影響を与えたということは確かなことだと思っています。
そしてもう一つは、このケースの指導をしたLund教授の、治療に対する姿勢と、Art and Scienceとしての歯科医療の包括の仕方に感銘したということにあります。
Lund先生はOperadve Dentistry学界の中にあってGiantとかMasterとか呼ばれている数少ないDentistの1人であり、アメリカでは、生存するDentistの中では最も尊敬を受けている人です。
今回、ここで漂白について述べる目的は、歯科治療にあまり予備知識のない人に、漂白の持つ利点を語ることです。
それは歯質を少しも失うこともなく、色だけを変えることができるという点です。
その結果、歯は永遠の生命を保ち続けることができ、少なくとも人生80年の間くらいならば、神様から授かったままの自分の歯で生活ができるという人生が待っています。
ところが、現在日本では、歯が茶色だったり灰色だったりして悩み、近くのハイシャに行くと、「削って直しましょう。」とすすめる日本のハイシャさんの存在があります。
2018年の現時点において歯の色がおかしいというだけで、削ろうだとか、被せようだとか言い出すハイシャは日本のハイシャさんとして分類されるべきでしょう。
そして、それに同意する無知な患者は自分の健康さえも管理できない落伍者として一生を過ごすことになります。
なぜならそれらの削られた歯は、最強のバリアであるエナメル質をはぎ取られ抜歯へと怒涛の如く進むからです。
安さんは51才の銀行員です。小学校の時石段で転んで以来、年々歯が黒くなるのに気づいていました。
治さなくては、いけないと思いながらも、今までかかった日本のハイシャさんは皆、口をそろえて削って被せることをすすめたため、ためらっていたそうです↓。(ふーっ、40年間迷ってよかったね、安さん)
治療前の様子↑
Walking Bleach3ヶ月後の様子↑
失活歯にはWalking Bleachという方法が効果的である。
安さんの歯は、これで削って被せたときより、ずっと長持ちします。
歯を白くしたいという人がいる場合、条件としては次の2つの治療方法が考えられます。
1.生活歯(神経のある歯)の漂白 vital bleach:
生活歯の外側から漂自する方法で,エナメル質内にある色素が対象になる.
治療が歯科医師によって診療室内で行われるのをoffice bleach,
患者さん自身によって診療室以外で行われるのをhome bleach,
そして両方が行われる場合をdual bleachという(上記Lisaの症例)。
2.矢活歯(神経が取られてある歯)の漂白nonvital bleach:
失活歯を歯髄腔の内側から漂白する方法で,象牙質内にある色素が対象になる。walking bleachはこの中で最も多用される方法である。治療の詳細についてはここでは述べません。
ここで大切なことは、歯の色はホワイトニングで簡単に変えられるということです。みなさんは、それだけを覚えて下さい。
08/09/97
09/18/18 updated
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